くんぷうとは・・・

くんぷうの由来

くんぷうとは、宮城県仙台市で平成9年に開業した陶芸工房『富谷宿焼・薫風窯』の屋号です。
仙台市に隣接した当地では、近年、団地や商業地の造成が進み人口増加の著しい町ですが、田園地帯も多く自然豊かな環境です。
薫風窯は、富谷町北部の七ツ森や船形連峰を望む景観の良い位置にあります。
地域の文化や風物を映す作品例として、特産のブルーベリーをモチーフにした食器、自生するカタクリやネジリ草などの草花を描いたりしております。

また、富谷町ゆかりの内ヶ崎織部(伊達政宗将軍に任命された宿場町富谷の開祖。その子孫は現在の内ヶ崎酒造店)を象った夫婦人形『織部人形』は、町木である天然松灰を釉薬(うわぐすり)に使い、素朴な雰囲気を醸し出し、お雛様としても人気を頂いております。

地場の特色を活かした作品造りの場合には、粘土や釉薬原料の採取から、時間と手間を掛けてこだわっております。

地元の粘土の採取と自作釉薬

富谷粘土の作品

「薫風窯」では富谷町地元で採取した粘土を使っています。
近所の方々の情報により近くの雑木林の中のセセラギの岩盤から採取し不純物を取除いた
(水漉)もので、左がその作品の数々です。
つまりこれらが100%地元「富谷の土を使用」作品です。

採取粘土の不純物除去(水漉)

採取粘土から木っ端や小石など不純物を取除くことを水漉(すいひ)と言います。
これは単に漉器で漉しただけではロクロに掛
けても回転途中で作品にチギレが出来てしまい物には成りません。
つまり「水漉」と言う独特の作業をする必要があります。

水漉の方法について

水漉の方法についてはいろんな文献を見ても
「攪拌して漉す」と一言だけで具体的に述べておりません。
以下、私なりに会得した方法です。

(1)採取粘土を弓矢(針金)で板状に切って良く乾燥させる。
(2)乾燥させた粘土を解け易いように木槌で細かく砕く。
出来るだけ細かい方が良い。
これらの作業で粘土の分子が分解し次の作業に進める。
(3)水を張った大バケツ(45ペール)に粘土を3分の1位まで静かに注ぎ込む。
(4)3、4時間位で粘土が解けるのを待つ。
この際途中で攪拌しない。
(5)木の葉等軽いものは浮いて来るので適宣の篩いで濾し取る。20目の篩いが良い。あまり長い時間だと浮いたものが水を吸ってまた沈んでしまうこともある。
(6)篩った後、底の方からよく攪拌しながら柄杓で汲み上げ別の大バケツに適宣の篩いで濾し取る。
細かい粘土を得るのが目的であれば
100目、そうでなければ70目、50目で濾し、篩いに残った石や砂は捨てる。
(7)篩い取った粘土は上水が透明に成るまで沈殿するのを待って上水を捨てる。
上水が透明に成るには一昼夜からそれ以上かかることもある。
上水を捨てるには水道用のホースなどを利用して吸収しサイホンで捨てる。
(8)こうして残った泥粘土を適当な硬さに乾燥し、手か土練機で練り粘土に仕上げる。
乾燥は素焼鉢に入れるか布で包み吊るし干しにしても良い。
(9)菊練りした粘土は適当な大きさに丸めて
ビニールで包み保存する。
粘土は直ぐに使用に耐えるものであれば使用しても差し支えない。
若干の期間寝かす方法もあるが3年も寝かす必 要はない。
以上、私の水漉方法です。

色付けは自作釉薬を使用しております。

白は白マットで赤は辰砂です。以下にその調合方法を述べます。
いずれも1230℃還元焼成です。

(1)白マット
長石35、石灰石20、タルク(滑石)10、
珪石10、カオリン25です。
(2)辰砂
発色剤は炭酸銅を使っております。
長石19、鼠石灰16、炭酸バリウム12、亜鉛華5、カオリン12、硅石30、炭酸銅1.4、酸化錫2.8、骨灰1.9の割合です。

 

 

 

現在、当工房では、地域色を持ち続けながら現代の食卓やインテリアを和ませるモダンな雰囲気のやきものを造り続けています。

作風について

真っ赤に色鮮やかな「辰砂釉」は、当工房を代表する作風のひとつと言えます。
銅や錫を発色成分とした複雑な原料構成の釉薬であり、生産の安定性に乏しく、試行錯誤の連続ですが、鮮やかに色付いた作品を窯出しした時の喜びは他に替えがたいものがあります。
抹茶茶碗や水指など茶器、徳利や猪口など酒器、一輪差から大壺に至る花器の他、珈琲カップ、湯呑、パスタ皿など、お使いになる方の年齢を問わずご好評を頂いております。

これ以外にも、椿、葡萄、アケビや野の花など、季節の草花を描いた器は、素朴で優しい雰囲気が大変人気です。
タタラ状の編み込み造りなど、大量生産にはできない、ユニークな形状の器も制作しております。
通常の食器の他、人形、香炉、灯り(ランプシェード)、アロマポット、蚊遣り器、オルゴールケース等々、様々な生活シーンにご利用頂ける楽しい品物を造っています。
普段の生活の中で、少しだけ心豊かに安らかに感じて頂くことが私達の喜びです。

作品の販売や展示

薫風窯の作品は、不定期ですが、県内各地で行われる催事で展示販売させて頂いております。

制作に時間の掛かる品物ですので、数ヶ月前からアイデアを捻り、自身の作風を活かして、また、新しいことにもチャレンジしながら、より良いものをお披露目したいと思います。

また、仙台市の工房の中にも作品を置いています。
時期によって内容にバラツキがありますが、お近くにお越しの際にでも、お気軽にお立ち寄り頂ければ嬉しく思います。

制作者

澤田聡
平成14年 仙台市「講和線陶芸教室」にて勉強
平成15年 「薫風窯」にて勉強
平成15年 「東北現代工芸美術展」「河北工芸美術展」に入選

PAGE TOP